■はじめに
本インタビューでは、当社の上場支援を導入したことで、光フードサービス株式会社様がどのように株式上場を実現し、今後どのような未来を見据えているのか、大谷社長と石田管理本部長に詳しくお話を伺いました。
《企業概要》
会社名:光フードサービス株式会社
設立:2009年12月
店舗数:61店舗(2024/11/現在)
本社所在地:愛知県名古屋市
事業内容:愛知・名古屋を中心に「立呑み 焼きとん 大黒」「立呑み 魚椿」などの小型立ち飲み居酒屋を多数展開しており、食材の仕入れからセントラルキッチンでの調理、店舗への配送までを一貫して行い、安全・安心な「食」の提供と、スタッフとお客様が交流できる「接近戦」の接客を強みとする飲食企業です。
2024年2月に外食企業としては初の東証グロース市場への上場を果たし、将来的に国内300店舗の出店を目指している。

中瀬:コロナ後、初の外食銘柄として東証グロース上場から約1年が経過しましたが、何か大きく変わったことはありますか?
仕入れ面、人材採用、資金面、組織内の変化など、できればポジティブ・ネガティブ両方を教えてください。
石田:そうですね…上場までは1年ごとにやることが明確で、目の前に常に目標がありましたし、上場に向かっていることだけを考えていればよかったのですが、上場後は四半期ごとの開示や株主との対話、総会など初めてのことだらけで。
企業として目指す目標も壮大になり、なんというか、また一から野に放たれたような感覚ですね。
もちろん達成感もありましたが、また一から壮大な目標に向かっていくための心構えというか、そんな気持ちのまま1年が経ちました。
中瀬:人材採用、資金面、組織内の変化などで変化はありましたか?
石田:もともと採用・教育面に強みのある業態ですので、実際のところ、人材採用に関して大きな違いはまだ感じられていないのが正直なところです。
ただ、中瀬さんからご紹介いただく各上場企業のCFOの方々と会う機会が増えたことは、自分にとって大きな成長の機会となっていると実感しています。
中瀬:大谷社長も、会う経営者の層が大きく変わったのでは?
大谷:変わった!ほんとに。こんなに変わるのかというくらい変わりましたね。
今までは会えなかったような人たちとマンツーマンで食事をする機会も増えて、「上場ってすごいなー」と。
この一年で、人間としても経営者としても視座は間違いなくめちゃくちゃ上がったと思います。
中瀬:上場達成において上場支援はどのように役に立ちましたか?
石田:一番大きかったのは、うーん、やっぱりあれですかね。
「上場のCFOは、会計士や特に監査法人出身の人がやるものだ!」というのが一般的じゃないですか。
中瀬:はい、そう思います。特に収益構造が複雑だったり、資金調達を頻繁に行うような企業には不可欠だと思います。
石田:その中で、会計士でもなければ監査法人に勤めたこともない自分が、本当に務まるのかと、実はかなり不安になっていました。
そこに、事業開発のスペシャリストから準備期間中にCFO管理本部長に転身し、上場を成し遂げた中瀬さんが現れたんですよ。
中瀬:私自身、そのあたりの資格や経験は何もありませんでした。ただ、外食のような収益構造のシンプルな業界だからこそできる!というのが持論でもあります。
石田:はい。その実例があるだけで、「あ、頑張れば自分でもできるんだ!」と思えたことが、本当に救われました(笑)。
取締役会も、最初に始めたころは「この会議必要?」「いつも経営会議で話してるよね?」という感じで、ほぼ機能していませんでしたし。
中瀬さんに入ってもらうようになってから、「この会議を通じて何を成し遂げるべきか」「どうあるべきか」という形ができあがり、取締役会で議論ができるようになったことがすごく大きかったです。
社外の取締役の方々にもしっかり説明できるように、そして質問があってもきっちり返答できるように、という指導のもと、報告や議題のレベルもどんどん上がっていきました。

中瀬:最初の頃は、とにかくざっくりしていて、10分くらいで終わっちゃうというか笑、社内でしか通じない用語や範囲での報告しかなかったですよね。
石田:本当にそうでしたね。取締役会を育てるというか、取締役会を通じて上場準備がしっかり進んでいった部分はすごくありました。
経営陣の意識が上場企業に向けてどんどん変わっていくのが印象的でした。
特に出退店のリスクにおける考え方に関しては本当に勉強になりました。
中瀬:特に印象的だったアドバイスやサポートはありますか?
石田:外食業の上場準備で起こる問題のほとんどの解決策を持っているな、という印象です。また、現上場企業のCFOとのネットワークを活かして、他社が実際に解決してきた方法や運用を知ることができました。
証券会社にも「現上場企業がこうやっている」と説明できるとスムーズに進むことが多かったので、他社事例を知れたのは心強かったです。
特に印象的だったのは、証券会社や監査法人とのやり取りについての助言でした。
もともとは、何もわからず「証券会社・監査法人の言うことをすべてこなす」というスタンスでした。
今考えれば、我々の業態の運営方針とズレた指導もありましたが、当時は疑わずに進めていました。
正直、あのまま進めていたら、ガバナンスがしっかり効いているけれど利益がまったく出ない会社になっていたような気がします(笑)。
中瀬:はい、その泥沼にはまって上場を諦める企業は本当に多いです。
石田:そこで、「こういった考えを持って相談してもよいのでは?」「自分たちの経営において重要な部分はしっかりと向き合って、落としどころを見つけに行きましょう」と背中を押してもらいました。
具体的な解決策も提示してもらいながら、我々の経営にふさわしい形に持ってこられたのは本当に大きかったです。
大谷:他の役員や証券会社、監査法人には相談しづらいことも、経験者かつ第三者として意見をもらえるのは助かったよね。あんまり大きい声では言えないことも含めて(笑)。
中瀬:上場を目指す企業への支援は必要か? また、必要な企業はどんな企業だと思いますか?
石田:結論から言うと、入れた方が良いのは間違いないですね。
特に直前期あたりからは相談することも多くなりましたし、実際に同じ業界で「上場を経験した」見地から意見をもらえるのは本当に心強かったです。
大谷:自己資本で上場を目指すなら、経験したCFOがいるかどうかで大違い。
外食業界はVCなどの他資本が入っていないことが多いので、上場経験者がいないと考えると、今思えばかなり危うかったかもしれない。

中瀬:今後IPOを目指す皆さんに何かあればお願いします。
大谷:この一年、いろいろな上場企業の経営者と話す機会がありましたが、一人たりとも後悔をしていない、むしろ可能性があるなら目指すべきだ!という意見なのが印象的でした。
中瀬:それは私も思います。後悔している人はほんとにいないですね。
大谷:一年たった今でもその想いは変わらないし、まだこの先の成長にドキドキできる。
まぁ、本当に大変だったのでそう易々と勧められるものではないけど、もし大きな野望があるなら人生一回、チャレンジして後悔はないものと思います。
中瀬:ありがとうございました。