株式会社ナカセ 2024年 年頭所感

【2024年の店舗物件動向など】

明けましておめでとうございます

まず年初より心を痛める出来事が続いております。亡くなられた方々に心からご冥福を祈ると共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を願っております。

2023年は、新型コロナ禍から徐々に脱却し、我らが外食業界も観光を含めた人流がなんとか以前の水準まで戻りつつあり、中には過去最高を記録する企業も散見され明るい兆しが見られました。

さてそんな中、株式会社ナカセが考える2024年、店舗出店の動向予想を、我らの大黒西新宿店で立ち飲みながらつらつら考えます。

大黒西新宿店は年始から満員御礼ですね! 当社川口とホッピーメガサイズ!

 

店舗物件業界のゲームが変わる予感

まず2023年の印象ですが出店にあたり、飲食事業者というよりは常にサブリース企業との物件の獲り合いだったような気がしており、コロナ禍を経てずいぶんゲームが変わったなと感じる1年でした。

今年は、いろんな意味で業界としては大きな転換期となりそうです。

①店舗開発人員の減少

②サブリース企業の増加

③コロナ融資の本格返済開始

この3つが重なって、店舗物件マーケットは大きく動くと考えています。ゲームチェンジの予感。

①店舗開発人員の減少

コロナ禍で出店が止まった大企業を中心に「店舗開発部」が解体され、他業種へ転職するなど市場から多くの開発部員が消えました。業界のレジェンド含めて、コロナ禍を機に引退された先輩方も結構見受けられましたね。
この10年間、まったく若手が育っていない業界にとって、出店ノウハウの欠損という意味ではかなりの痛手な気がします。
採用するにも絶対数が足りませんし、いたとしても店舗開発とは名ばかりの現状で、海千山千のプレイヤーを採用するのは上場大手といえども至難の業のように感じます。
3年離れたら浦島太郎の業界ですし、もはや致命傷なのかもしれません。

②サブリース企業の増加

テンポイノベーション社を筆頭に、店舗不動産会社を含めた新規のサブリース企業の台頭が目立ちます。今まで手を出さなかったUSEN等の大企業も積極的に参入してきていますね。
私の感覚ですが、おそらく都内ではすでに約1万超!?の店舗がサブリース(又は業務委託)物件になっていると推測できます。たった5年前には想像もできないくらいの超スピード感です。
そして物件取得の情報戦では、外食事業者と埋めがたい差がつきはじめているので、この流れはまだまだ止まらないでしょう。2万件になるのも時間の問題です。

さらに、コロナ禍でサブリースに対するビル貸主側の理解がすごいスピードで進んでおり、これも追い風。昔はただ賃料の利ザヤを抜くだけのサブリース業でしたが、現在は貸主・借主双方に対して大変合理的な仕組みになっていて、ここまで内容を昇華させたサブリース企業の努力ともいえます。

とはいえ、物件持ち主から直接借りれるのであれば、それに越したことはありません。
店舗展開を続ける事業者としては、サブリース企業を上回る開発技術を身に着けると共に、転貸も柔軟に受け入れ、その上で経営を成り立たせるハイブリッドな考えが必要となる時代が来ています。チャンスの最大化がポイントですね。
ちなみにこれは東京都の駅前路面店(+三県のターミナル駅)の話で、そのほかの地方やロードサイド物件では心配するのはまだまだ先でよさそうです。

③コロナ融資の返済開始

コロナ措置で先送りにしてきた返済が昨年の6月ごろから本格的に始まり、物件界隈には影響が出始めていると感じます。コロナ後は、勝ち負けの差が明確につく時代になったわけですが、負け企業の店舗撤退が続いており、10月に入ったくらいから明らかに物件の量、質ともに向上しました。大手企業も再興に向けた最後の清算フェーズに入っています。この10年くらいでは一番ハッキリした潮目だったんじゃないでしょうか。
ここからは毎年恒例行事ですが、今年は特に1月後半から物件界隈は忙しくなりそうです。当社も年始早々すでに忙しく楽しい一年になりそうです。

日本中の物件がサブリース物件になってもおかしくない

未公開物件での出店に集中している当社としては常に競合が出ないようにコントロールして、無風状態で出店を決めることをモットーとしています。
しかしながら、驚くのはサブリース企業の情報の早さです。
なんせ相手はエンド企業として年間100件以上の契約数を誇る事業用物件の百戦錬磨ですので、最近は私ですら少しソワソワすることがあります。
ことさら今後の飲食企業に関しては、業界精通した店舗開発が社内にいないと勝ち切るのはなかなかに難しいと思います。最低でも50店出店級の玄人カウンターパンチャーが欲しいところですが、①の理由をもってその機能(人材)が業界から失われつつあります。
パワーバランスが崩れ始めてますので、業界としてもしっかり向き合わないと手遅れになる状態のような気がします。

賃料はまだまだ上がっていく

結果、サブリース物件=元賃料より上乗せ、ですので市場全体で賃料は上がっていきます。「転貸物件なんかは絶対借りない!」という方もまだまだいらっしゃいますが、確かに薄利多売の実業で稼いでいる身からすると、なんとも許せない気持ちになるものの「事業」として割り切った場合には今までの開発レベルでその考えを貫くのは難しいでしょう。
かつて同業だった私としては、彼らが日々どれだけ血のにじむ努力で物件探しをしているのかよく伝わってくるため大変な危機を感じています。

ナカセとして何を提供するのか

今年はこんな感じで業界動向をウォッチしつつ、ナカセのソリューションがどこまで通用するのかの挑戦です。
当社としては、上記で述べた業界の「情報格差の正常化」を使命としています。
なぜなら、まずはより良い立地、より良い経済条件ベストな店舗を作り上げることが最も店舗の失敗確率を下げる手段であり、これ以上に有効な手段はないと考えているからです。

そんな我々は、20年・300店舗の開発ノウハウを詰め込んだ定例会議型ソリューション「超 店舗開発会議」で業界の発展に貢献していきます。
昨年は上場企業から中小企業までしっかりとした実績を残すことができたので、今年は自信に満ち溢れております!
※本年より、多くの方に「本物の店舗開発」を知ってもらいたく、初回無料のコンサルティングサービス「ゼロ⇒ワンミーティング」を開始しました。お問合せはこちらからお願いします。

また、昨年末に東証スタンダードに上場した「🍜魁力屋」に続き、今年は外食IPO界隈も動きがありそうですので、こちらにも力を入れていきたいですね。
やりたいことは山ほどありますが、今年はしっかり己と向き合い常に「何をやらないかを見極める」をモットーに登り龍のごとく一年を駆け抜けたいと思います。

本年もよろしくお願い申し上げます。

株式会社ナカセ
代表取締役  中瀬一人

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